
舌下免疫療法(SLIT)は、アレルゲンを舌下に投与することで免疫寛容 (=アレルギー体質の改変) を誘導し、アレルギー症状を軽減する治療法です。
SLITを行うことで、以下のような効果が期待できます。
- 症状の改善 ➡複数の研究により、SLITはアレルギー性鼻炎や喘息の症状を有意に改善することが示されています。
- 薬物使用量の減少 ➡SLITを行うことで、抗アレルギー薬の使用量が減少することが報告されています。
- 長期的な効果 ➡SLITは治療終了後も効果が持続することがあり、長期的な症状のコントロールが期待されます。
- 安全性 ➡SLITは重篤な副作用が少なく、安全性の高い治療法とされています。
続いて、アレルギー性鼻炎の「診察から治療までの流れ」を説明します。
[参考文献]
1) スギ花粉症に対する舌下免疫療法の経年的効果に関する研究
- 日本の研究で、スギ花粉症患者に対するSLITの長期的な有効性を評価しています。
2) Year in Review 鼻アレルギー:舌下免疫療法について
- ランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験のメタアナリシスにおいて、SLIT群はプラセボ群に比べて症状スコアと薬物スコアの有意な改善が認められました。
3) Effectiveness of Sublingual Immunotherapy in the Treatment of HDM Allergy
- ハウスダストマイト(HDM)アレルギー患者に対するSLITの効果を示す研究で、臨床症状の改善と薬物使用量の減少が報告されています。
- 小児のアレルギー性鼻炎に対するSLITと皮下免疫療法(SCIT)の有効性と安全性を比較した研究で、SLITの有効性が示されています。
5) Sublingual Immunotherapy for the Treatment of Allergic Rhinoconjunctivitis and Asthma
- SLITがアレルギー性鼻結膜炎および喘息の治療に有効であることを示す研究で、症状の改善が報告されています。