特異的IgE抗体検査、特に当院で採用しているドロップスクリーンは、ごく少量の血液をとるだけで複数のアレルゲンに対する感作 (体がアレルギー反応を起こしやすくなっている状態) を同時に測定できる有用な検査方法です。

ドロップスクリーンに必要な血液は10μL(≒1滴)と少ないので、子供が強い恐怖心や不安を感じにくい方法として普及しています。指先からの微量採血
のみで検査が可能で、注射器は使いません。
🔍 検査対象アレルゲンの一例(41項目)
以下は測定できる代表的なアレルゲン群です:
🌸 吸入系アレルゲン(ハウスダスト・花粉など)
- ハウスダスト1・2(ダニ、ゴキブリなど)
- ネコ、イヌ上皮
- スギ、ヒノキ、ブタクサ、ヨモギ、カモガヤなどの花粉
- カビ類(アルテルナリア、アスペルギルス)
🍴 食物系アレルゲン
- 卵白、オボムコイド
- 牛乳、小麦、大豆
- ピーナッツ、ソバ
- 魚介類(エビ、カニ、サケ、マグロ)
- 果物(キウイ、バナナ、モモ、リンゴ)
✅ メリットとデメリット
メリット
- 採血が簡単・痛みが少ない(特に子どもに向いている)
- 短時間で多項目チェックができる
- 食物・吸入アレルゲン両方を一度に確認できる
デメリット
- 41項目に限定されている(それ以上のアレルゲンを調べたい場合は他の検査が必要)
- 結果は「感作の有無」であり、症状が出るとは限らない
丁寧な診察と、このドロップスクリーンを用いることで、アレルギー反応を起こしている原因を突き止め、適切な治療へつないでいきます。